【愛の真贋とは】『鑑定士と顔のない依頼人』がトラウマ級
【鑑定士と顔のない依頼人/The Best Offer】
2013年公開、イタリア、ジュゼッペ・トルナトーレ監督、ジェフリー・ラッシュ主演
カオスな愛とクライムサスペンス映画が好きな人におすすめです。
さらに、洗練された光と映像美とともに絵画や屋敷が映され、綺麗な映像と物語とのギャップが最高です。
主人公は優れた審美眼を持つオークショニア・鑑定士、ヴァージル・オールドマン。潔癖症で女性が苦手であり、倉庫にコレクションしてある女性の肖像画を眺めるのが密かな趣味。
彼に一件の鑑定依頼が来るが、使用人伝いに鑑定品を案内するばかりで、姿を現さない依頼人。ある美術品の一部を見つけた鑑定士はそれの調査とともに依頼人自身に興味を持ち始める。依頼人は広場恐怖症の女性であった。
物語は一件不穏な空気が流れつつ進み、一転二転したのちどんでん返しのラストです。
最後には、美術品の真贋を見極める鑑定士という肩書がとても皮肉に聞こえます。
美術品の真贋が分かっても、人間と人間の間に生じる愛というものの真贋に苦悩する。
映画全編に通して主人公の心理描写がとても細かく、全てが明らかになった後のヴァージルのカットは、映画が終わった後もしばらく余韻がある程、鑑賞側の心も落ち込みます。
本映画はNetflix、TSUTAYA TV、U-NEXT、Huluで見放題です。